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りんご   林檎 のはなし

 私たちが食べているりんごの原産地は中近東のコーカサス地方と言われています。
 遊牧民によってヨーロッパへと渡り、永い年月を経て味や大きさの改良されたものが、明治の初期に我が国に渡ってきました。
 りんごの栽培に適した本州中部以北の冷涼な地域で積極的に栽培されはじめ、青森県や長野県等で産地が形成されていきました。現在、国内生産量の過半数を占めるまでになった品種「ふじ」は、昭和にはいってから生まれたものです。

りんごのおもな種類(その1)
:現在、登録品種は 163種となっていますが、7500以上の品種が栽培されているといわれています。

富士 デリシャス ゴールデンデリシャス 王林 紅玉 国光
津軽 千秋 アルプス乙女 姫小町 世界一 印度
フラワー オブケント シナノスイート シナノゴールド 秋映
ぐんま名月 陽光

役に立つりんご QUESTION


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Q1.りんごを長く保存するにはどうすればいいの?
りんごは温度が安定した涼しい場所に保存しましょう。。
一般家庭では、1つ1つビニール袋に入れて冷蔵庫で保存してください。

Q2.数が多くて、冷蔵庫に入りきらない場合の保存方法は?
箱に新聞紙を敷き、りんごをキレイに並べてください。
ふたをした状態で、温度が安定した涼しい場所に箱を置いてください。

Q3.りんご名の頭につく”サン”てどういう意味?
りんごは果実が大きくなる途中で、袋を掛ける場合と掛けない場合があります。
袋を掛ける理由は、病気や害虫からりんごを守るためと色づきを良くするためです。
一方、袋を掛けないものを無袋りんごといい、太陽の恵みをたっぷり浴びています。
これが”サン”の意味するところです。
もちろん”サン”が付くりんごの方が、甘みが多く美味しいです。

Q4.りんごの旬の時期っていつ頃?
品種にもよりますが、収穫は9月中旬から11月下旬位となります。
よって、この収穫時期が旬となります。収穫が遅い”ふじ”は、寒くなった11月中下旬
の収穫となりますので日持ちが良く、2月までは美味しく頂けます。

Q5.りんごを皮付きで食べているのですが、ワックスは塗ってありますか?
当園のりんごは、一切ワックスは使用していません。国産のりんごであれば、ワックスを使用している農家はほとんど無いと思います。りんごを保存していると皮が「べたべた」した状態になりますが、りんご自身が乾燥を防ぎ鮮度を保つために分泌するもので、その成分はリノール酸やオレイン酸になります。これは新鮮な証拠であり、もちろん無害なものですので、まるかじりしてください。

Q6.りんごの表面についている白い粉は農薬でしょうか?
白い粉は「果粉」と呼ばれるもので、りんご自身が出しています。こちらもりんごの水分が失われるのを防いでいます。

Q7.全てのりんごに蜜は入りますか?
残念ながら全ての種類のりんごに蜜が入るわけではありません。最近人気がある蜜入りりんごは、主に「ふじ」という種類になります。その他にも、ひめかみや早生ふじ(弘前ふじ)に少しですが入ります。蜜は、寒暖の差が大きい場合に入りやすくなります。

 

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主なりんごの種類について(その2)
富士(ふじ) 1939年 国光×デリシャス 10月中旬 - 年間生産量約1230万tで、日本・世界的にも最も多く生産される品種。「新津宏」らにより1958年に「東北七号」と仮称命名され1962年に「ふじ」と命名された。品種名の由来は、育成地である青森県藤崎町(ふじさき)にちなみ、「富士山」にもかけている[6]。甘みが強く歯ごたえも良く日持ちもする。
デリシャス 1870年 偶発実生 9月中旬 - 10月上旬 年間生産量約930万t。1913年に岡山県「花房省吾」の手によって日本に導入とされるが、1911年カリフォルニア州より北海道大学が導入との説もある。似た名前にゴールデンデリシャスがあるが、系統的には、無関係。
ゴールデンデリシャス 1914年 GrimesGolden×GoldenReinette 9月中旬 - 10月上旬 年間生産量約880万t。1923年日本に導入された。
王林(おうりん) 1952年 ゴールデンデリシャス×印度 10月中旬 - 緑色に斑点のついた外見が特徴の晩生品種で、香りと甘みが強い。貯蔵性が非常に優れており、春先まで出荷される。
紅玉(こうぎょく)(ジョナサン) 1800年頃 偶発実生 9月下旬 - 10月中旬 1871年に開拓使によって導入され、1900年に邦名を紅玉と命名された。美味しいリンゴの代名詞として、国光とともに一世を風靡する。その名の通り艶やかな深紅のリンゴで、やや小玉で酸味が強く果肉のきめは細かい。芳香があり焼菓子(アップルパイ)などへの加工用途に用いられることが多い。
国光(こっこう) 不明 不明 10月下旬 - 1871年日本に導入、戦前から1950年代にかけては「紅玉」と並ぶ、日本ではもっともポピュラーな品種であった。果皮は黒ずんだ赤色で、果肉はかたく、甘みは少なく比較的さっぱりした味わい。「ふじ」などの交配親として利用されたが、現在は黒石市でネット販売のみ。
津軽(つがる) 1930年 ゴールデンデリシャス×紅玉 8月下旬 - 9月中旬 果汁が多く、甘みが強いが果肉は比較的柔らかい。1970年に「青り2号」と仮称命名され、1973年に「つがる」と命名。
千秋(せんしゅう) 1966年 東光×ふじ 9月中旬 - 10月中旬 果汁が多い深紅のリンゴ。千秋公園の名から品種名がとられた。
アルプス乙女( -おとめ) 1964年 ふじ×紅玉 偶発実生 9月下旬 - 11月中旬 ヒメリンゴの一種で、最小級の大きさのミニりんご。実の重さは、30gほど。
姫小町(ひめこまち) 1988年 アルプス乙女 7月下旬 - 8月上旬 ヒメリンゴの一種で鮮紅色、実の重さ約80g - 100gの大きさのミニりんご。アルプス乙女と比して1ヶ月以上早く、初夏に実をつける。観賞・生食兼用種で、実生時期と適度な実の大きさから縁日のりんご飴に好んで用いられる。
世界一(せかいいち) 1930年 デリシャス×ゴールデンデリシャス 9月中旬 - 10月上旬 最大級の大きさ(500 - 1000gほど)の品種。
印度(いんど) 1875年 不明 9月中旬 - 水分が少なく歯ごたえに欠けるが、甘味が強くて酸味はほとんどない。戦後、高級リンゴとして出回ったが、他品種が広がると共に一時姿を消す。2002年頃より再び出荷されるようになった。料理用として焼きリンゴに向く。
旭(あさひ)(マッキントッシュ) 1870年 偶発実生 10月中旬 北米ではポピュラーな品種。早生で強い芳香があるが、日持ちがしない。日本では、ほとんど生産がされないが、積雪に強いことから北海道でわずかの農家で栽培されている。アップルのパソコン「Macintosh」の名前の由来。
ジョナゴールド 1943年 ゴールデンデリシャス×紅玉 9月中旬 - 10月上旬 1970年に秋田県果樹試験場によって日本に導入された。シャリシャリ感のある果肉で酸味と甘みのバランスが良く(比較的酸味が勝る)、生食の他、酸味がある為、お菓子・料理用に向く。
祝(いわい) 不明 7月中旬 - 8月上旬 早生の小玉リンゴ。8月下旬に熟するが、8月上旬に未熟な状態で収穫される。青リンゴ・供物用のりんごとして売られている。
フラワー オブ ケント 俗称、ニュートンのリンゴ。落ちる実を見て、ニュートンが万有引力の法則についてヒントを得たという逸話(後述)で知られる。落果しやすい性質を持ち、生食用ではなく、料理用として使われる。味は渋みと酸味が強いが追熟させると甘く、酸の利いたいい味になるという。
シナノスイート 1978年 ふじ×つがる 10月中旬 果汁が多く、甘さも強く、香りも良い。「つがる」と「ふじ」の間を埋める品種として開発された。
シナノゴールド 1999年 ゴールデンデリシャス×千秋 10月中旬 - 11月中旬 黄色く色付く。果汁が多く、甘さと酸味のバランスが良く、濃厚な味わいが楽しめる。
蜜が入らないことから貯蔵性に非常に優れる。日本国内よりヨーロッパでの評価が高く、2007年12月27日SKズードチロルへの栽培許諾の契約がなされた。
秋映(あきばえ) 1993年 千秋×津軽 9月下旬 - 10月上旬 甘さと酸味のバランスがよく、濃厚な味わいが楽しめる。色は濃厚な赤色。リンゴの産地でも比較的温暖で低標高な地帯でも栽培に適す。つがるの特性を引き継いで、果肉がしっかりしていることと、食味が優れている。
 
ぐんま名月( -めいげつ) 1971年 あかぎ×ふじ 9月下旬 - 10月下旬 果汁が多く密入、糖度は15度程度で食味も良好。
陽光(ようこう) 1981年 10月中旬 - 10月下旬 大玉で甘さと酸味のバランスがよく、濃厚な味わいが楽しめる。大玉なうえ、日持ちがするため贈答品としても使われる。歯ざわりが良く、食味が優れている。


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紅玉の話

 明治時代以降にアメリカから多くのりんごが導入される中でアメリカ原産の”ジョナサン”という小ぶりで真っ赤なりんごが渡ってきました。各地で六号三五号千生チ印盾無満紅千成など、いろいろな名前で呼ばれるようになり、混乱をきたしたので、1900(明治33)年に、紅玉という名に統一されました。
そして昭和に入って日本で新たに選抜育成されたものが”紅玉”と命名され、日本での歴史をスタートしました。
 日本でも次々と品種改良がなされ現在では当時の品種はほとんど栽培されていません。その中にあって紅玉は独特の酸味の利いた食味、色、そして手料理用としては今だに右に出る品種が無く、その個性は根強い人気を誇っています。
 生産者から見た紅玉はとても樹に元気があり病気にも強いのが特徴ですが、樹1本当たりの収量は若干少なめです。食味は酸味が強いことが得取り上げられますが、完熟を迎えた紅玉は他の品種よりも糖度が高いのです。その濃厚さは食べ比べてみるとハッキリわかります。すっぽりと手に収まるその中に秘めたパワーを感じる・・・そんなりんごです。

国光の話

この品種の収獲時期は晩く、樹上のりんごが雪の下になることがあり、別名を青森県では雪の下といいます。。 日本へは1871(明治4)年に開拓使(明治2〜15年の間、北海道開拓を任務として設置された官庁)によって導入されました。
 導入当初の原名では普及せず、地区により、49号(北海道)、晩成子(岩手)、雪の下(青森)、キ印(山形)などいろいろな名称で呼ばれて混乱していましたので、1900(明治33)年に全国共通の名称を国光に統一しました。明治、大正、昭和にかけての青森県の基幹品種として、りんご産業を、紅玉とともに100年間にわたって支えてきた記念すべき品種です。

 

フジの話

青森県南津軽郡藤崎町にあった農林省園芸試験場東北支場(現 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所リンゴ研究拠点(盛岡市) )において誕生した世界的品種です。
ふじは岩木山を見ながら、青森県藤崎町の地で生まれ育ったリンゴですが、1958(昭和33)年の園芸学会春季大会において東北7号として発表されました。1961(昭和36)年に、東北農業試験場園芸部が園芸試験場盛岡支場(現 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所リンゴ研究拠点 )として岩手県盛岡市に移転し、それにともなって、原木も、1961(昭和36)年に、青森県藤崎町から岩手県盛岡市に移植されました。
 この東北7号が
ふじと命名され、リンゴ農林1号として登録されたのは、1962(昭和37)年のことで、世界中のすべてのふじは、この原木の枝を直接・間接に接木をして増殖されたものです。


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りんごの医薬的な効果について

「1日1個のりんごは医者を遠ざける」というのはヨーロッパ、
「りんごを食べると医者いらず」は中国でいわれることわざです。

1.高血圧の方に
●毎日3個以上のりんごを食べている人は、血圧が低い"というデ−タがある。
りんごは塩分のとり過ぎを抑えて高血圧を防いでくれるからです。
この塩分に含まれるナトリウムが高血圧のもとです。
りんごに含まれる無機質のカリウムが、このナトリウムの害を防いでくれるのです。

2.貧血ぎみの方に
●"子供のホッペの色のように、りんごを食べていると肌の色が良くなる"
血色が良くなります。りんごの中にはヘモグロビンを増やす作用があるからです。
血液中のヘモグロビンが増え、血液のはたらきが良くなり、貧血予防になります。
また、リンゴ酸が肌あれを防いでくれる。
 

3.下痢ぎみ・便秘がちな方に
●下痢をした時に、何も食べず、朝3個、昼2個、夜3個のりんごを皮付きのままで
  すりおろして食べると下痢がおさまり、腸の働きを正常にしてくれる効果がある。

腸のはたらきを良くするからです。
りんごには腸のはたらきを良くする食物繊維のペクチンなどが多く含まれています。
食物繊維のペクチンは腸の消化、吸収を良くしてくれるので、下痢を抑え、便秘の予防にもなる。
また、りんごの皮の部分にも多く含まれています。

4.疲れたときに最適
●マラソン後のりんごは体に染みわたる"おいしさですね。
 りんごに含まれている酸が疲れを取りのぞくからです。
 りんごにはリンゴ酸、クエン酸などの有機酸が多く含まれています。
 この有機酸が、疲れのもとになる乳酸を減らして体のはたらきを活発にしてくれます。

5.コレステロールが高い方に
●りんごはコレステロールを下げる働きをして、動脈硬化を防止する。
 肉、卵、バターなどの動物性脂肪のとり過ぎは、血液中のコレステロールを増やし、動脈硬化のもとになります。リンゴには食物繊維のペクチンが多く含まれています。ペクチンは、増えすぎたコレステロールを追い出します。

6.大腸ガンの予防に
●りんごの皮と実の間に多く含まれるペクチンとという繊維成分には大腸ガンの予防効果がある。
大腸ガンの発生には、食物繊維の不足が関わっていると考えられています。
ペクチンには整腸作用とともに、発ガン物質などを体の外に出し大腸ガンの発生率を減らすと期待されています。

7.りんごの糖は血糖値を上げない
●りんごに含まれている果糖は、ブドウ糖や砂糖に比べると血糖値を上げる要素が少ない。
 ということは糖尿病などにはかかりにくいことになります。

8.りんごポリフェノール
 ・りんごのポリフェール、特に皮の部分に多いとされるこの物質には次のような効果がある。
●口臭を抑える。
●体内で発生する活性酸素抑制する。
●虫歯菌の働きを阻害し、エナメル質の崩壊を防ぐ。
●化粧品の美白剤としても有効。
●アトピー性皮膚炎の痒みを抑える効果
●リノール酸の酸化防止や天然色素の劣化退色防止する。
●小腸で酸化コレステロールの吸収を抑制する。また高血圧を予防する。                                     

    <資料>ニッカウィスキー弘前工場


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おいしいりんごの見分け方

お菓子作りにも、そのまま食べるときにも、とびきりのりんごをえらびたいよね。そのポイントは・・
(1)大きいものより、果肉がしまっていて小ぶりのもの。
(2)皮が張っていて堅めのもの。
(3)手のひらにのせると、ずっしりと重いもの。見た目より重く感じること 。
(4)皮の色が濃いもの。色・ツヤがいいこと。
(5)形がキレイなこと。 おしり(果実下部)のへこみが深く、ゆがみのないキレイな球に近い形のもの。
(6)ツルが太くまっすぐで、みずみずしいこと 。

など、よく覚えて、お店でりんごとにらめっこしてみて。

 

春や夏のりんご、旬のりんご

おいしいりんごがたくさん出回る季節は、秋から冬。旬のりんごは、新鮮で、甘みも酸味もあり、すいぶんたっぷりで、お菓子作りにもぴったりですが、
最近は、春や夏にもりんごが出回っています。これは、輸入が解禁されたり、貯蔵技術が進歩したおかげ。ただし、春や夏のりんごは、
水分がやや少ない場合も。コンポートやジャムを作るなら、時々水をたして、水分を補ってあげるのがポイント。

 

お菓子作りに向くりんごって?

紅玉、ジョナゴールドなど、甘すぎず、ほどよく酸味が含まれているものを選んで。焼いても、ほんのり酸味が残るので、
お菓子の甘みとマッチするからです。

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りんごの育て方は?


 ■栽培条件

リンゴは果樹の中で最も寒さに強く、-30度前後まで耐えることができますが、年平均気温が6〜14度が育つ条件です。なお、生産地は10度前後です。一定の気温に合わせないと休眠からさめませんので、沖縄では栽培が難しいです。また、暖地では果実の色がつきにくいです。
日当たりが良く、肥沃な大地が適します。

植え付け

植え付け直後に地面から70cm〜80cmの所で切り詰めます。

受粉

リンゴは自分の花では受粉できませんので、結実しやすい品種の組み合わせを隣接して植える必要があります。確実に実をつけるには、人工受粉をします。

■剪枝・剪定

2年目の冬。新しく伸びた梢の3分の1を切り詰めます。枝が直角にならないように、枝を剪定します。

■肥料

3月に配合肥料を、そして収穫後の10月下旬に追肥を施します。

摘果 

生理落果が終る開花後3週間くらいに行い、生育状態の良い1果を残し、他を摘果します。一般には、中心果が大きくて育ちが良いです。袋がけを行う場合は、摘果直後に行います。


 <<摘果の重要性>>
  
  ◆果実品質の向上
  果実の素質は花の段階までにかなり決まっている。したがって、果実の品質の向上には前年の栽培管理により、良質な花芽を多数確保することが重要である。
受精後の果実肥大は、果実内の細胞数とその大きさによって決定される。果実の細胞分裂は開花後4週間頃までとされている。早くから果実数を制限することにより、貯蔵養分を節約し残された細胞数を増加させることができる。
また着果量の制限をすることにより、残された果実への養分の分配が多くなり、果実肥大だけでなく、着色や糖度も向上する。
   
  ◆隔年結果防止
  「ふじ」や「さんさ」などの隔年結果性の強い品種は、隔年結果防止が安定生産のために重要となる。隔年結果防止における摘果の役割はきわけて大きい。
  色々と難しいこともありますが,ご家庭でりんごを植えられる場合,少しでも交配の条件を満たすため,下記に各品種間の親和性を表にまとめますので参考にして下さい。
   
  ◆樹勢・樹刑維持
  着果量が多いと果実品質に影響を及ぼすだけでなく、樹体の貯蔵養分をも低下させてしまう。とくに花芽着生しやすい品種や樹体でその影響は大きい。
また、着果過多により枝が垂れ下がり樹刑が乱れてしまうことがある。逆に、ある程度着果させることにより枝の誘引効果をねらいことも可能である。
   
  ◆あら摘果のやりかた
  とにかく早く一輪摘果を行うことが重要である。中心果を残すことが基本であるが、「ふじ」では生育が良好な側果を残しても良い。側果を残した場合「つがる」などではつるさび果が発生しやすいので注意する。
あら摘果は満開後30日頃までに終了させたい。このため、作業を効率よく進めるために以下の点を考える。
   
  ◆どの品種からはじめるか
  早期摘果の効果がより明確に出る品種から始めたい。
「秋映」は早期の摘果(摘花)処理によりさび果の発生を軽減することができるので、できれば最初に行いたい品種である。また、開花期がばらつきやすのいで、開花の遅い花そうは花そうごとつみ取る。
   
  ◆摘果の時期
  手で簡単に摘める花の時期や、一度にたくさん摘み取ることができる幼果の時期は作業効率が上がる。凍霜害対策のできている園地や危険の少ない園地では一輪摘果を行う。
不要な果そうは果そう摘果
着果させbない上向きや下向きの果そうは、骨格枝の先端部分、徒長枝の先端部、生育の遅い果そうなどは全果実を摘果する。
とにかく早く
多少やり残しがあっても仕上げ摘果時に処理できるので、とにかく早く進める。
   
  ◆手かはさみか?
  摘花やがく立ち前は手で行う(指先がよごれます)。がく立ち後は得意な方で行う方が効率的である。はさみで行う場合「ふじ」や「シナノレッド」は果柄が収穫期まで残るので、一輪摘果の際は根本まで短く切る。摘果ばさみの切れ味も作業効率に影響するので、摘果前に十分手入れをする。
   
  ◆どの園を優先するか
  園地により花芽着生は異なっている。樹勢が弱っている園地などでは花数がかなり多く、小玉となりやすい。このような園地を優先する。
   
  ◆仕上げ摘果のやり方
  1頂芽の基準は、健全葉15枚前後とする。はじめに枝単位で頂芽数(葉枚数)と着果数を数えて、感覚的にどの程度のボリュームとなるか確認しておくとよい。
摘果の程度は、樹勢によっても調整することが必要である。樹勢の強い木は多めに、少ない木は少なめに着果させる。またわい性台木樹は、マル葉を用いた普通樹に比べて、着果負担が大きいと「ふじ」では隔年結果、「つがる」のような樹勢の低下しやすい品種では、極端に樹勢が低下しやすいので、着果過多にならないように注意する。
また普通樹では、1樹内でも樹勢の強い枝と弱い枝で着果程度を変える必要がある。
日当たりの良い樹冠外部と日当たりの悪い樹冠内部とでは、葉の同化能力に差があるので着果量を加減する。樹冠外部はやや多めに、樹冠内部はやや少なめとする。
過剰摘果で果実数が少なくなりすぎると、ビターピットなどの生理生涯が発生したり、枝が徒長したりして樹体生育に影響を及ぼしてしまう。凍霜害などで果実に大きな被害が発生した場合であっても、極端に着果量を減らさないようにして樹勢を制御する。
   
  着果程度 品種
3〜4頂芽に1果 シナノスイート つがる さんさ 紅玉
4頂芽に1果 秋映 シナノゴール
4〜5頂芽に1果 ふじ 王林 千秋 陽光

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